キラキラ☆プリキュアアラモード 第28話
「 ふくらめ! ひまりのスイーツ大実験! 」
![]() | キラパティに現れた老人は、スイーツの科学の作者・立花先生だった!ひまりは、先生のイベントで助手をすることになるが・・・ |
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「私宇佐美いちか! スイーツ大好き中学2年生!」

「スイーツに込められたキラキラルの力で伝説のパティシエ・プリキュアやってま~す!」




「・・・これは!」

「?」

「ペコ~」

「ライオンの形ペコ」

「アニマルの形」


「シエルとあおいのキラキラルの力が結晶の形を変えたのかもしれんジャバ」

「スポンジケーキ、焼き時間も計算通りです」

「どれどれ・・・」

「おっ! いいじゃん」

「はい、やはり湯煎で卵を泡立てるとふんわり勘が違います」

「まさしく、スイーツは科学です!」

「はははっ!」
「さすがひまりん」
「スイーツの先生みたいペコ」
「ふふふ、ペコリンの言う通りかも」
「だよね」

「そ、そんな、私なんて・・・」

「ボンジュール! 例の物持って来たわよ」

「表紙を飾るなんて凄い!」

「それより、ほら、ここ」

「キラキラパティスリーは個性豊かなメンバーによるスイーツショップだって」

「あら、結構大きく出てるじゃない」

「でも、ひまりが隠れてるのよね」
「どれどれ?」

「ああ、確かに。これじゃあひまりちゃんってわかりにくいね」

「いいんです。私なんて、皆さんにスイーツの科学を説明してるだけですし」
「でも、ひまりんの説明が無かったらうまくスイーツ作れなかったよ」
「そうそう」

「あっ!?」
「何か落ちました」
「それは・・・」

「さっきカウンターにいたお客さんが書いてたメモ」

「これは・・・」

「砂糖の温度変化状態を表したもの」

「その通り!」

「?」
「君じゃな? スイーツに細やかな目配りをしておるのは」


「まさに・・・スイーツは科学じゃ!」

「今から君をテストする」
「えっ? テ、テスト?」


「それではテストを始める」

「第1問!」
「ひっ!?」

「ちょっと待って!」
「? 何じゃ?」
「その前に、おじいさんは何者なんですか?」

「なんと! ワシを知らぬとは」
「あの、私も知りたいです」

「あっそう? じゃあちょっと拝借」

「ああっ・・・!?」

「ほれ、見て」

「これ、ワシね!」

「?」


「た、た、たたたた・・・立花先生!?」

「そうじゃよ、立花ゆうじゃよ。ほれ」

「おお~~!」

「実は明日のステージを手伝ってくれる者を探しておるんじゃ」
「それでスイーツの科学に詳しいひまりをテストするって訳ね」
「そう言う事」


「まさか・・・立花先生」

「あのスイーツの天才、立花ゆう先生に」

「まさかご本人に会えるなんて・・・」

「では行くぞ!」
「は、はい!」

「では、第1問!」

「どうぞ」

「プリンのカラメルソースに最適な砂糖の温度は?」

「160℃から180℃です!」

「第2問! 冷たいチョコレート温かい場所に移動した時にできる白い模様は?」

「シュガーブルームです!」

「第3問! スポンジケーキに加えるバターの一番良い温度は?」

「60℃です!」


「ピンポン! ピンポン! ピンポン!」

「有栖川ひまり君、合格!」
「あ、ありがとうございます!」
「さすがひまりん!」

「はい、これが明日のイベントのチラシね」

「えっ? あっはい」

「野外ステージでスイーツ科学大実験・・・」

「ほんじゃあよろしく~」
「あっ、待ってください!」

「?」

「選んでいただいたのは嬉しいのですが、私なんかじゃ先生の助手は・・・」

「私なんか、か・・・」

「ひまり君、スポンジが美味しそうに膨らむのに一番大事なのは何じゃと思う?」
「えっ?」
「それは泡立てた気泡をつぶさないように・・・」

「ブッブー!」
「オーブンの温度を・・・」
「ブッブー!」

「一番大事なものって・・・」

「その答えは明日自分で見つけに来るがいい」

「ふぉ~っほっほっほ・・・」

「ちっ、キラキラル集めにこんなに手こずるとはな」

「ネン」

「何だ? ほほう、スイーツのイベントか」

「おい、お前等、先にこの会場に潜り込んでおけ」

「ネン!」



「お客さんいっぱいだ!」
「ひまり大丈夫かな?」

「ネンネン!」

「レディースアンドジェントルメン!」

「スイーツ科学大実験へようこそ!」

「わ~~~っ!」

「ど、どうしよう、私が助手なんて、そんなの無理無理無理・・・」

「え~では、本日の助手を紹介します。有栖川ひまり君です!」


「よ・・・よろしくお願いします!」

「頑張って~!」
「ひまり~!」

「それでは本日挑戦するスイーツ科学実験は・・・」

「巨大スポンジケーキ作りじゃ!」

「おお~~~っ!」

「巨大スポンジケーキなんて凄い挑戦ね」
「えっ? そうなの?」

「生地が大きいと中までちゃんと焼けないか、焼けたとしても周りの生地がパサパサになっちゃうもの」

「不可能と言われる巨大スポンジケーキ。じゃが、長年の研究の末に作り出した新アイテムの登場じゃ」

「名付けて、立花式超強化焼き型と巨大オーブンじゃ!」

「巨大オーブン!」

「ネンネン!」

「第一の工程はスポンジ生地作りじゃ」

「さ、ひまり君・・・ひまり君!」

「ひゃ!? ひゃい!」

「緊張してるな」
「ふふふ・・・」



「さあ卵を割りまくるんじゃ」
「は、はい!」


「よ~し、良い感じじゃ」

「そして次の工程は、砂糖を入れてまぜまぜ! 特大電動泡立て器の出番じゃ」

「この時大事なのが、お湯で卵を温める事じゃ」
「はい」


「さ、30℃・・・適温になってきました」

「そもそもなぜお湯で温めることが必要なのか」

「それは、そう、卵にのんびり体を休めてもらうためじゃ」

「ピピッ・・・ピピッ・・・」

「お、温度が・・・あ、あの・・・」
「人間も風呂に入れば疲れから解放され、ゆったりするじゃろう?」

「あれ? ひまりんどうしたのかな?」

「ピピッ」
「あっ! あっ・・・」

「温かい風呂に美しい景色」

「おっ・・・」

「はぁ~温泉行きたいのう」

「お・・・お湯を外してくださ~い!」

「お湯? おお、そうじゃった!」


「ナイスフォローじゃ、ひまり君」

「・・・で、ワシは何の話をしとったかな?」

「卵です。卵を温めると粘り気が弱まって、泡立てやすくなるんですよね?」
「おお、そうじゃそれ。忘れとった」

「やるじゃないひまり」

「次は卵を泡立てていきます」

「タイミングはパルフェ!」

「ええ~次は牛乳じゃ」
「せ、先生、あの・・・」

「ん? 何じゃ?」
「牛乳を少し多めに入れませんか? 大きいスポンジだと端がパサパサすると思うんです」

「うむ、グッドアイディアじゃ」

「はい!」


「ここで粉とバターの投入じゃ」


「頑張れ~!」

「ネンネ~ン!」


「生地ができました!」

「よ~し。次は焼き型へ入れてオーブンへゴーじゃ!」


「通常18cm型で30分の焼き時間、さらに熱伝導率の高さを考えて・・・」
「う~む、そうじゃのう・・・」

「ここからが大変よ」
「えっ?」
「いつものオーブンとは違うし、焼き型も特殊だから、焼き時間も温度もちゃんと考えないと」

「ではスタートです!」








「ピピピ・・・」


「待ってください! あと1分です」


「今です!」

「うむ!」


「良い感じの焼き上がりじゃな」
「はい」

「よし、ひっくり返すのじゃ!」

「では、焼き型を外していきます。3・2・1・・・」

「オープン!」



「良い感じにできました!」

「ブラボー!」

「わ~~っ!」

「ネンネン!」


「あっ・・・!?」

「あっ・・・」




「う~む・・・焼くのは問題無かったが、ふんわり感と大きさのバランスに問題があったか・・・」

「いや~実におしいのう」

「ごめんなさい」
「?」
「きっと私のせいです。もっと上手くやっていれば・・・」

「私なんて、私なんて・・・先生の助手ができるはず無かったのに・・・」

「ひまりん・・・」

「オッホン、ひまり君」
「私・・・」

「スポンジケーキが美味しそうに膨らむのに一番大事なのは何じゃ?」
「えっ?」

「それはのう、作り手の想いじゃ」
「想い・・・」

「懸命に知識を学び、勇気を持って焼き時間を見極める」



「君のスイーツへの強い好奇心が、あれだけ大きなスポンジケーキをここまで膨らませる事ができたんじゃよ」

「でも・・・」

「パチパチ・・・!」



「ひまり~ん!」

「ネンネン!」


「あっ、ああっ・・・!?」

「ご、ごめんなさい」
「ひまり君」

「ひっ!?」

「有栖川ひまり君、あの拍手は君への拍手じゃ。実験は大成功じゃよ」

「え?」

「さあ胸をはって、観客に笑顔で応えるんじゃ」

「私のケーキ作りが大成功?」

「皆さん・・・ありがとうございました!」
「いいぞ!」
「ブラボー」

「フォッフォッフォッフォ・・・科学には予期せぬ出来事がつきものじゃ。だからこそ面白い」

「次はもっと大きな挑戦をするぞ」

「皆さ~ん! 今日は実験にお付き合いいただいて、本当にありがとう!」
「ありがとうございました」

「わ~~~~っ!」

「ネンネン!」


「ほう、キラキラルでいっぱいじゃねえか」

「あっ!?」

「あっ!?」

「ネン!?」


「様子を見に来たらこのざまだ。役立たずどもめ!」
「ネンネンネン・・・」

「ふん、くだらない出来のスイーツなのにキラキラルが溢れていやがる」

「くだらない出来?」

「やれ!」
「ネン!」

「ブォ~~~~ッ!」

「あら・・・」

「・・・」

「!」

「立花先生、初めてでした。 あんなにたくさん拍手をもらえて」

「本当に本当にとっても嬉しかったです」

「だから、必ず取り返します!」

「お? お前等プリキュアじゃねえか」

「取り返しましょう!」
「うん!」
「ひまりん!」

「ついでに潰してやる!」
「ネンネン!」


「ノワール・インフレーション!」



「キュアラモード・デコレーション!」

「プリン! 知性と勇気を! レッツ・ラ・まぜまぜ!」


「キュアホイップ! できあがり!」

「キュアカスタード! できあがり!」

「キュアジェラート! できあがり!」

「キュアマカロン! できあがり!」

「キュアショコラ! できあがり!」

「キュアパルフェ! できあがり!」

「キラキラプリキュアアラモード!」

「やれ!」

「ノワール!」

「うわっ!」


「はあっ!」

「だあ~~っ!」


「ノワール!」

「たあっ!」

「はあ~~っ!」


「うわっ!?」
「ううっ」

「マカロン! ショコラ!」

「はあ~~っ!」

「はあ~っ!」


「攻撃が効かない!?」

「はっはっはっ! 苦戦しているようだな」

「今すぐ帰れ! 何もできねえさ」

「何も・・・できない・・・」

「ふふふ・・・」

「私!」






「できます!」

「あぁ? お前なんかに何ができる!」


「私はできます! いえ、私だからこそできることがあるんです」

「うん」

「ふん!」
「ノワール!」

「氷に当てればホイップしやすい。だから!」

「オッケー!」

「いくよ!」


「任せて!」

「はあっ!」


「ノワール!?」

「何っ!?」

「サンキューカスタード」
「さすがだわ」
「次行きます! 湯煎を使って泡立ててください」
「了解!」

「生地は温めれば泡立ちやすく、きめ細やかに仕上がります」


「なるほど」
「さっきのスポンジ生地の要領だね」

「できました!」

「行きます!」

「ノワ~!?」

「ノノノ・・・ノワール!?」

「パルフェ、仕上げをお願いします」
「ウィ!」

「レインボーリボン!」

「行くよ!」

「アン! ドゥ! トレビアン!」




「やあ~~っ!」


「はぁ~~っ!」

「キラクルレインボー!」

「ボナペティ!」




「ぐっ・・・ふざけやがってプリキュア! 覚えてろ~!」


「・・・?」

「おっ!?」

「崩したスポンジケーキにクリームチーズを合わせます。そして丸めていってください」

「ひ、ひまり君」
「あっ、立花先生」


「こ、これはもしかして・・・」
「はい」
「崩れたスポンジケーキを使ってます」
「なるほど」

「いちかちゃんがキラッとひらめいてくれました」
「よし、できました~! ひよこケーキポップ、できあがり!」

「ほほう、これはようできとる」

「まるで殻を破って生まれたひよこじゃのう」


「わ~~っ」
「パチパチパチ・・・」

「良かった。こんなにも喜んでもらえて」

「今日はちょっぴり自分に自信が持てました」


「あれ? ひまりんの結晶」
「あっ・・・」

「形が変わっていきます」

「あっ・・・」

「あっ・・・」

「こ、これは・・・」
キラパティに現れた老人は、ひまりの愛読書「スイーツの科学」の作者・立花ゆう先生でした!
ひまりも先生の正体には気づきませんでしたが、無理もないですね。
巻末の写真は若い頃のもの。4~50年前でしょうか?
ひげを生やし、髪も白くなっていますが、特徴あるくせ毛でご本人とわかりました。
若い頃に本を書き上げ、現在でも活躍されているなんて流石ですね。
その先生が突然始めたテスト。明日行われるイベントの助手を探すためのものでした。
ひまりは全問正解で合格となりましたが、恥ずかしがり屋で引っ込み思案のひまりは辞退しようとします。
そこで立花先生は問いかけます。スポンジを美味しく膨らませるのに一番大事なのは何か?
答えを知りたければイベントにくるように、と。
イベント当日。ひまりは助手としてイベントに参加しました。
最初は、緊張で顔が真っ赤になり、体もガチガチでしたが、スイーツ作りが進むにつれ、緊張もほぐれてきたようです。やっぱりスイーツ作りが好きだからでしょうね。
立花先生は、天才故のボケなのか、高齢のせいなのか、ちょっと抜けているところがありますね。
それをひまりがうまくフォローして、スイーツ作りは順調に進みました。
巨大スポンジケーキが焼き上がり、上手くいったと思われましたが、形が崩れてしまいました。
生地の弾力が足りなかったようです。
ひまりは、この失敗を自分のせいだと思い込んでしまいます。
ネガティブに考えてしまい、心を閉ざそうとするのは悪い癖ですね。
ここで立花先生は、昨日の問いの答えを教えます。
スポンジを美味しく膨らませるのに一番大事なのは、作り手の想いなのだと。
スイーツの作り方は科学で解明できる。
でも、美味しさは科学では解明しきれないのでしょう。
作るのも人間、食べるのも人間。そこには計算を超えた何かがある。
スイーツの科学を極めた立花先生だからこそ、それに気づいていたのでしょう。
それが結晶化したものがキラキラルなのかもしれません。
スポンジケーキの形は崩れてしまいましたが、美味しくて、観客を喜ばせるケーキができあがりました。
スイーツを通じて人々を笑顔にする・・・今までキラパティのみんながやってきた事と同じです。
だからこそ、今回の実験は大成功と言えるのでしょうね。
巨大スポンジケーキを狙って現れたグレイブ!
大量のキラキラルを奪い、強敵を作り出しました。
みんなの攻撃が通じず苦戦してしまいます。
「今すぐ帰れ! 何もできねえさ」
昨日までのひまりだったら、その言葉で怖じ気づいてしまったかもしれません。
ですが、今日は違います。実験を通じ、成長することができました。
今までやってきた事は間違って無かったと、自信を持つことができたのでしょう。
スイーツの科学を応用する事で、クリームエネルギーをパワーアップさせる事を思いつきます。
作戦が見事に決まり、敵を倒す事ができました。
ひまりの持っていた結晶は、リスの形に変わりました。
持ち主の成長に呼応するように、結晶も成長したのでしょう。
これが更なる力を引き出す鍵になるのでしょうか?
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